【マンション業界の秘密】マンション購入は3年待て 不透明な18年市場、局地バブルも大きく崩れず?

物件買うなら3年後か(写真と本文は関係ありません)

 不動産の局地バブルは2018年、どのような展開をみせるのか。

 現状、マンション市場には停滞感が漂っている。新築の販売は不調。中古も売り出し中の物件は多いが、成約数は少ない。

 13年から始まった局地バブルは16年に最大の盛り上がりを見せ、17年は踊り場のような状態であった。18年も景気に大きな変化がない限り、大きく崩れるとは思えない。

 注意すべきは株価と金利である。都心エリアの不動産市場は、今やかなりの部分が金融商品化しているからだ。運用利回りは長期金利プラス4%から5%が目安。今、長期金利はほぼゼロに近い状態だ。

 リートなどが購入するオフィスビルは運用利回りが4%前後、個人投資家が求める3億円くらいまでの物件は5%前後を目安にした市場価格が形成されている。

 18年4月に日本銀行の黒田東彦総裁が任期切れとなる。しかし、巷では続投説がささやかれている。仮にそうなれば現状の異次元金融緩和政策は継続となる。つまり、金利は上がらない。となると、不動産価格は下がらない。

 黒田氏が続投とならず、後継者が日本銀行出身のセントラルバンカーになれば、世界の潮流にしたがって金融引き締めに転ずる可能性が高い。そうなれば、不動産価格は下がることになる。

 一方、最も優れた景気指標である株価は好調に推移している。不動産の価格は常に景気に左右される。株価の安定的な推移が続く限り、不動産価格も同様の動きとなる。

 しかし、世の中は何が起こるか分からない。地政学的な要因やリーマン・ショックのような突然の出来事によって経済状況が激変することを歴史は教えてくれている。

 何も起こらない場合、市場では需要と供給の関係によって価格が形成される。不動産でもそれは同じだ。

 現状、住宅は全国的に余ってはいるが都心では売却を急ぐ動きは見られない。ただ、「賃貸用に購入したが借り手が付かない」といったマンションがジワジワと増えている。あるいは高値での売り逃げを狙ったものの、市場がやや下落し始めた現状で売れ残っているマンションも多い。そういう物件が徐々に値下げをする動きは出てくる。金融政策に変更がなければ、18年いっぱいは、そういった分かりにくい市場の変化が起こるだろう。

 次の19年はさまざまなイベントが予定されている。改元もある。参議院選や統一地方選挙も予定されている。ラグビーのワールドカップが日本で開催される。そして、5年ぶりに総務省から空家率が発表される。住宅の余剰感は今よりも際立つはずだ。

 20年は五輪の開催。そして閉幕。祭典の高揚感が去った後、日本人は再び国内問題に目を向ける。人口減少や空家の増加はいやが上にも目に入る。需要と供給の関係からしても、不動産価格の本格的な下落が始まってもおかしくないはずだ。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。