【天野秀夫 中小型厳選株】売上高100億円台乗せる 「まんが王国」運営「ビーグリー」 東証1部への市場変更も

 米NYダウは1月26日の史上最高値から2月9日の安値までの下げ幅の2分の1戻りを超えてきて、過度な相場波乱は収束傾向にあります。しかし、1ドル=106円水準に進んだ円高ドル安は、企業業績の上振れ期待を後退させることから、日経平均の上値を重くしてくることになりそうです。

 金利の上昇が基本的にはマイナスに働く新興企業銘柄も例外ではありません。ただ、東証2部、ジャスダックには為替の円高による影響を受けにくい内需型銘柄が多く、マザーズには同じく内需系IT、バイオ関連などが多数存在しますので、こうした銘柄の中から好業績銘柄を選別することができます。

 また、今年第1号の新規上場(IPO)であるMマートが、23日に登場してくることは、相場的に明るいトピックスです。新規資金を呼び込み、物色動向に刺激を与えるIPOが動き出すことは新興企業銘柄の戻りを刺激する好材料として働いてくるでしょう。

 こうしたなか、円高の影響とは無縁で、株価が上場来の安値圏1400円台にあるマザーズの「ビーグリー」(3981)は、手掛かり材料満載の好業績銘柄として投資魅力が膨らんでいます。

 同社は、スマホ向け電子コミック配信サービスで業界大手級の「まんが王国」を運営しています。実写テレビドラマが放映中の「きみが心に棲みついた」等の人気作品を持つほか、「シティハンター」の北条司さん、「北斗の拳」の原哲夫さんなどが参画するノース・スターズ・ピクチャーズと提携し、優良なコンテンツを多数抱えていることが強みです。

 そのため、業績も好調で前12月期は前期比7・6%増収、45%経常増益で着地し、今12月期は前期比14・5%増収の売上高102億7100万円、経常利益は12・4%増の12億2200万円見込みと連続で過去最高益を更新し、売上高は初の100億円台に乗せてきます。

 増益率が前期を下回りますが、これは「まんが王国」のブランディング、市場認知度を向上させるために、テレビCMなどプロモーション活動を積極的に展開するためです。市場が拡大中の電子コミック市場での宣伝・コマーシャル効果は、売り上げ増に直結する期待が膨らみます。

 そして、ビーグリーはここから約1カ月後の3月17日にIPO1年を迎え、東証1部への市場変更も近づいてきそうです。現在の株価に割高感はなく、IPO時の公開価格1800円以下の時価水準は割安の一言です。

 ■天野秀夫(あまの・ひでお) 日本大学法学部卒。1987年4月、日本証券新聞社に入社。記者、編集局長などを経て、代表取締役社長を12年近く務める。2017年4月、独立。証券・金融界、上場企業経営者とのパイプを生かし金融リテラシーへの貢献を目指す。