【住まいの処方銭】「建物調査」売り主、買い主双方にメリット 日頃からメンテナンスには気を配ろう

いつか売る可能性があるなら日頃からのメンテナンスを

★春から変わる(2) 

 今年4月から、中古住宅を売買する際に不動産会社から「建物の状況調査をするかどうか」の確認をされるようになる。これは、建物に不具合がないかを専門の建築士が調査するもの。調査費用は、売り主、買い主、そして不動産会社のいずれが負担してもよい。

 買う側からみると、「調査を受けた住宅なら安心だから買いたい」との思いを持つだろう。売り主からすれば、調査費を上乗せしたとしても、早く高く売れれば願ってもないことだ。調査結果は売買契約前の重要事項説明時に説明される。さらに、売買契約時にも売り主と買い主に対し、仲介した不動産会社から現況について確認した書面が渡される。

 ただし、注意したい点もある。

 まず、調査される部位が限定される。構造耐力上主要な部分といえる「基礎、土台および床組、床、柱および梁(はり)、外壁および軒裏、バルコニー、内壁、天井、小屋組」と、雨水の浸入を防止する部分の「外壁、内壁、天井、屋根」が一般的だ。給排水管などは対象外。

 次に、実施から1年以内であれば、重要事項説明で説明できる。時間がたつと、結果が異なる可能性があるからだ。調査を終えて売り出しても1年以上かかると調査費用がムダになることも。

 調査をするか売り主が尋ねられるのは、不動産会社と媒介(仲介)契約を結ぶとき。内覧を経て、「契約を前提に話が進んだら、売り主の費用負担で調査をします」ということをPRして売る方法もありそうだ。

 最後に、調査後に予定外の不具合が見つかったら…。売り主側に修理費用の負担が生じることを頭に入れておく。この場合、引き渡し時期が延びる可能性もありそう。住み替えであれば、時期に影響するかもしれない。

 一方で、買い主側から「自分の費用で調査したい」といわれることもある。調査には売り主の承諾や立ち会いが必要だが、拒絶すれば買ってもらえない恐れも。いずれにしても、いつか住み替えする可能性も考えて、日頃からメンテナンスには気を配っておきたい。(不動産・住生活ライター 高田七穂)