【マンション業界の秘密】チェックしないと大損する新築マンション公式サイト 透ける売主の思惑

販促用のチラシもくまなく目を通すことだ(一部画像を処理しています。写真と本文は関係ありません)

 仕事柄、首都圏で販売されているほとんどの新築マンションのオフィシャルページをチェックしている。多分、私ほどああいったサイトをたくさん見ている人間はいないだろう。

 もちろん、オフィシャルページには、売主企業が最もアピールしたい内容が大きく目立つように載せてある。逆に「これは見せたくない」という情報は、ほぼ出ていない。

 ただ、不動産広告には業界の取り決めがあって、どうしても表示しなければならないことが決められている。だから、出したくないけれど出している情報もあるのだ。

 ここでは、新築マンションのオフィシャルページから、その物件の真の姿を読み取る手法をいくつかお伝えしたい。

 まず最初に出てくるのはトップページ。そこでは、売主企業がその物件についてどう考えているのかが分かる。

 例えば、物件とは全然関係なさそうなアニメのキャラクターや外国人モデルやタレントなどがトップにきている場合、売主は「この物件には強力な魅力付けが必要だ」と考えていることになる。つまり、実際はあまり魅力がないということ。

 上品な街並みや地名を大きく出している場合は、立地のイメージで売ろうとしている。しかし、その物件の立地が、本当にそういう背景や環境にあるとはかぎらない。例えば東京大学のキャンパスのある「本郷」(文京区)をうたっている物件が、本当は「湯島」(同)だったりもする。

 トップページでいきなり価格が大きく出ている物件もある。「安いから買ってくださいね」というサインだ。「300万円プレゼント」なんて出ている場合はまさにそれ。「値引きしているから一度モデルルームを見にきてください」と訴えている。

 どう考えても日本人しか買いそうもないのに、英語を中心に構成している場合もある。多分、事業担当者か担当役員か、または経営者が大きく勘違いしている。

 私は、トップページはいちばん最後にチェックする。最初に見に行くのは現地案内図。つまり、その物件がどこにあるか、ということ。場合によってはグーグルストリートビューで現地の様子も確認する。もちろん、後ほど実際に現地を見に行く。

 マンションの資産価値は立地が9割。だから、最も重要な情報は「どこに建つか」だ。

 ところが、オフィシャルページによっては現地案内図をかなり探しにくいところに置いていたりする。ひどい場合は、モデルルームの場所は分かっても、現地の場所を示さない地図を表示していたりする。そういう物件は、大抵が「買ってはいけない」レベルに立地が弱い。

 次に重要なのは概要。ここには不動産広告として表示しなければならない項目が収まっている。敷地が借地権であるとか、用途地域が工業地域であるといった売主が言いたがらないスペックを「物件概要」でチェックできるのだ。必ず見た方がいい。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。