【シニアライフよろず相談室】認知症対策(1) 財産凍結を防ぐ「家族信託」とは?

家族信託や相続・遺言に特化したサービスを展開しているチェスナット司法書士法人代表社員、元木翼司法書士=今年9月の家族信託セミナーから

 超高齢社会の進展に伴い、認知症高齢者数は年々増加しています。2017年度の高齢社会白書(内閣府)によると、12年の認知症高齢者数は約462万人ですが、団塊の世代全員が75歳以上となる6年後には約730万人に上る(高齢者の約5人に1人)とされています。

 認知症を発症すると、「判断能力」(物事のメリット・デメリットを理解する能力)を喪失する可能性があります。法律上、判断能力がない状態で行われた行為は無効となってしまいますので、認知症を発症すると、自分ではお金や不動産の管理・処分ができなくなる可能性があります。つまり、認知症を発症すると「財産凍結」のリスクがあるということです。

 財産が凍結してしまうと、下記のようなことができなくなる可能性があります。

 (1)お金に関すること(預金の引き出し、定期預金の解約など)。

 (2)不動産に関すること(売却、リフォーム、建て替え、修繕、借り入れなど)。

 (3)相続に関すること(遺産分割協議といった相続税対策など)。

 最近増えているご相談は、高齢の親が認知症を発症して、預貯金が引き出せなくなってしまった、親名義の実家が売却できなくなってしまったなどのケースです。

 預貯金が引き出せなくなると、親の介護費用や医療費などは子供が立て替えなくてはならないかもしれません。また、実家を売却してこれらの費用に充てることも容易ではありません。

 このように、たとえ老後の蓄えがあったとしても「凍結」により使えなくなってしまう可能性があるのです。財産凍結の問題は、今後一層深刻なものとなっていくことでしょう。

 家族信託とは、不動産や金銭などの財産の管理や承継を信頼できる家族に元気なうちに託しておく制度です。「信託」という文字をみると、銀行に頼んで行うものだと誤解する人も多いのですが、家族信託はあくまで「家族を信じて財産を託す」制度です。言い換えれば、家族が家族のために行う財産管理の制度、ということになります。

 06年に信託法が改正されたことにより、一般の方でも信託が利用しやすくなりました。次回以降「家族信託」の開始方法など、具体的な内容を確認していきます。

 ■人生100年時代!ライフスタイルと住まいを考える集い 無料セミナー11月22日開催

 一般社団法人シニアライフよろず相談室は、京王不動産と共催で、11月22日(金)14時から新宿NSビル30階スカイカンファレンス(東京都新宿区西新宿2の4の1)で、無料セミナー「人生100年時代!ライフスタイルと住まいを考える集い」を開催します。

 第1部では「ライフスタイルと住まいの話」と題したパネルディスカッションを行います。各分野の専門家が「リフォーム」「住み替え」「空き家対策」「老人ホーム選び」などの論点から、人生100年時代の住まいについて熱弁します。

 第2部は落語「ライフスタイルと住まいの噺」。林家木久扇門下の気鋭の若手真打ち、林家ひろ木が出演し、「笑点」でおなじみの師匠・木久扇が主人公の創作落語を本邦初公開します。

 事前予約制。〒住所、氏名、電話番号、年齢、同伴者人数を記入の上、メール(info@yorozu-soudan.com)、ファクス(03・5322・5577)、往復はがき(〒160-0023 東京都新宿区西新宿6の6の3新宿国際ビル新館7階)のいずれかで「一般社団法人シニアライフよろず相談室」まで。折り返し、入場証を送ります。

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