【住まいの処方銭】男性もムリなくできる親の介護 遠距離を支えるために「室内カメラ」や「グッズ利用」で負担減

工藤広伸さんの著書『認知症介護で倒れないための55の心得』

 親を遠距離介護していると、「転ぶのではないか」「外出したら、戻ってこられるだろうか」など、不安ばかりかもしれない。介護作家の工藤広伸さんに対応を聞いた。

 工藤さんは、ブログ「40歳からの遠距離介護」を運営しながら、成年後見人経験者であり、認知症ライフパートナー2級と認知症介助士でもある。岩手県に住む認知症の母のために、年約20回、往復を続けている。

 当初は一人置いて東京に戻るのが不安で仕方なかったが、「態勢を整えていくうちに、今は自宅に毎日、誰かが来る状況になりました」と話す。

 例えば、ヘルパーが目薬を差しに来たり、買い物やゴミ捨てをしたり。看護師も2週間に1度、来るという。何かあったら工藤さんに連絡が入るようになっている。

 さらに、工藤さんは遠距離を支えるための道具利用を提案する。

 たとえば、母が暮らす岩手の自宅には、スマートフォンで室内カメラが撮影した映像を見られる「スマカメ」というネットワークカメラを設置している。スマホに話しかけると、その声がカメラから出る。動くものを検知すると一定時間、録画したり、スマホに知らせたりする機能もある。「玄関に設置すると、出たときに知らせてくれるので、認知症ならこのような使い方はどうでしょう」。現在、台所と居間に1台ずつ置いており、母が起きている時間の大部分を網羅しているそうだ。

 エアコンに関しても、新しい機種にはスマートフォンで遠隔操作できるものを選ぶ方法があるとのこと。遠方の子供が温度設定をこまめに行えば、離れていても安心だ。

 工藤さんはブログなどで、自分が試した介護に向くお薦めグッズを紹介する。「男性はモノに凝る人も少なくない。上手に使って介護の負担を減らしてほしい」とアドバイスする。(不動産・住生活ライター 高田七穂)