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大規模修繕工法や費用は?未知の問題そびえるタワマン、「標準」なく今後明らかに (2/2ページ)

 費用についても「これくらいが標準」というようなものはない。区分所有者が日頃徴収されている修繕積立金の範囲内に収まる場合もあれば、足りなくて一時金の「臨時徴収」が迫られるケースもある。言ってみれば未知数。通常のマンションよりタワーの方が高くなる傾向もある。

 今後、大量供給後のタワマンが大規模修繕の適齢期に入ると、さまざまな問題が見えてくると予想される。

 まず、工法の問題がある。外壁を補修するために通常のマンションなら足場を組む。しかし、これは高さ45メートル以下という制限がある。マンションでいうなら14階まで。それ以上の場所はゴンドラをつるすか、移動昇降式足場を設置するしかない。そういったことにかなりの費用がかかる。

 それぞれのタワマンの形状や工法によっても、補修工事のやり方は異なる。例えば、湾岸エリアのタワマンは潮風にさらされるので、外壁のパネル間を埋めているシーリング材が劣化しやすい。十数年に一度の補修では雨漏りが多発する可能性も否定できない。

 そういった問題も、今後、次第に明らかになってくるだろう。タワマンという住まいの形態はいまだ「試用期間中」だ。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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