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【ぴいぷる】「人間、誰しもちょぼちょぼ」ライフネット生命創業者・出口治明さん、執着しない生き方 会長を突然退任の真相は… (2/2ページ)

 サラリーマン人生で幾度か曲がり角を経験してもいる。大手生保時代、ロンドン現地法人社長、国際業務部長を務めながら、関連会社の役員に出され、エリートコースから外れた。あからさまな左遷だが、意に介さなかったという。

 「だって毎年200人の新入社員が入ってきて、5年に1人、社長が出るとして、確率は1000分の1。圧倒的多数の999人がどこかの段階で外れる。自分もその1人だと思えば割り切れますよ。1000分の1だと思えば、煩悩など持つことはない。そう考えられない人は、リアルに世の中を認識する力が弱いだけじゃないですか」

 そうした思考に至ったのは学生時代。文学、歴史書を読みあさったことによる。いまも週4~5冊の読書を欠かさない。

 「多くの自叙伝を読み、人間の一生は人智を超えた何かによって動かされていると理解できましたね」としみじみ語る。

 差し出された名刺に改めて目を移すと、肩書は、ライフネット生命の「創業者」とあるのみ。「権限は何もありません」と笑ってこう続けた。

 「ただ、これまでも(ブランド・アンバサダーとして)全国各地に講演に出かけて、生命保険との付き合い方について辻説法をしてきましたので、この仕事は続けていきます。社員も若い人が多いのでまだ少し『出口塾』で教育する必要があると考え、この面のお手伝いも。それらは会社と契約を結んでいるのでデスクと秘書だけは提供してもらってますけどね」

 これからは、自身の塾で若人を鍛えながら、著書を出し、講演を続け、出口流の生き方を提言していくつもりだ。

 「悩みがあっても、親しい友人と飲んだりだべったり、上役の悪口を言ったり、うまいものを食う。時にはふらっと旅に出てみる。そうすれば大方の悩みは振り切ることができますよ」

 軽々と生きていくために、まずはこのあたりから見習ってみるのもいい。(ペン・清丸惠三郎 カメラ・寺河内美奈)

 ■出口治明(でぐち・はるあき) 独立系インターネット生命保険、ライフネット生命保険の創業者。1948年4月18日、三重県生まれ。69歳。京都大学法学部を卒業後、日本生命保険に入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを歴任。その後、子会社の取締役に。この間、東京大学総長室アドバイザーなどを務める。58歳で日生を退社。2006年、ライフネット生命現社長の岩瀬大輔氏らとライフネット企画を設立。08年、現社名に変更。今年6月、会長職を退く。『人生を面白くする本物の教養』(幻冬舎)など著書多数。

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