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【榊淳司 マンション業界の秘密】分譲中古物件で進む廃墟化 資産価値500万円が分岐点 (2/2ページ)

 およそ500万円以上で競落される見通しのあるマンションなら、競売によって滞納分をほぼ回収できるはずだ。しかし、一般的に300万円未満だと競売を申し立てても全額回収の見込みが立てられないケースが多くなる。

 つまり、資産価値が500万円以上を見込めるマンションは廃虚への道をとめる方策が残されている。しかし、資産価値が500万円を割り込むと廃虚への工程を押しとどめるのがかなり困難になる。

 資産価値が500万円というと、自分の物件には関係ないと安心する人がほとんどだろう。首都圏ならかなり都心から離れないと資産価値が500万円まで落ちるエリアに達しないと考える人は多いはずだ。しかし、現実はさほど楽観できない。

 試しに、ネットのヤフー不動産やスーモなどで安いマンションを探してみてはどうだろう。意外に多く見つかるはずだ。今は国道16号の外側がほとんどだが、その輪はジワジワと都心に向かって迫ってきている。

 今後は築40年以上のマンションがどんどん増えてくる。郊外の駅から離れた中古物件にはほとんど需要がない。そういったマンションから順次、廃虚化の危機を迎えることになる。

 すでに地方都市やリゾートマンションエリアにおいては、廃虚化の危機が進行している物件も多いはずだ。そのうち、首都圏の近郊でもひとごとではなくなる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案の現場に20年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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