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【図解で分かる「決算書」の仕組み】“アパレルの雄”ユナイテッドアローズ、ネット通販好調で収益力戻る

 本日は、アパレルメーカーのユナイテッドアローズをピックアップする。かつては、ROEが20%を超えるなど、「アパレル業界の優等生」と呼ばれ、数あるセレクトショップの中でも唯一気を吐いていた同社であるがここ数年、業績が振るわない状況が続いている。

 では、直近の実態はどうなっているのか。2017年4月~9月期(上期)の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合は約43%と、安全性の面では懸念はない。過去の利益の蓄積である利益剰余金が潤沢に積み上がっているため、財務体質は健全と言える。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率が4・3%となり、かつてほどではないが収益力が戻ってきている。ネット通販が引き続き好調に推移したことに加え、棚卸資産効率化による販管費の減少などにより、前年同期と比べて売上高、利益ともに増加に転じた。

 最後にキャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fがプラスとなり、前年同期のマイナスの状態を抜け出した。

 ファストファッションの台頭により、同社のようなセレクトショップは少なからず打撃を受けている。アパレルの雄としてのプライドを見せられるか。下期にも注視したい。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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