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【日本の元気】下請け超えた技術で福島原発廃炉に挑む「エイブル」 高度支援企業の挑戦 (1/2ページ)

 昨年9月17日、とてもうれしいメールが届いた。

 「遠隔ロボットによる作業が成功しました。炎天下、高線量下、毎週の台風にもロボット君は耐え、頑張ってくれました」

 メールはエイブル(本社・福島県広野町)の佐藤順英社長からだった。昵懇(じっこん)である日本体育施設の奥裕之社長の紹介でエイブル社を訪ね、試験中のロボットを見せてもらったのは昨年の7月半ばだった。

 エイブルは、福島などの原発や火力発電所のメンテナンス、施工を担ってきた中小企業だ。「3・11」の原子力災害の発生直後、その事故対応は多くの協力企業が奮戦したが、彼らの存在が伝えられることはほとんどないまま。東京電力が「こういう工事・作業をし、こういう結果が出ました」と発表するのみだ。

 福島第1原発ではおよそ40年におよぶ廃炉作業が継続中だが、エイブルのような数多くの中小企業の力なしには進まない。それらの企業を私たちは「下請け」と呼ぶ。発注元が計画・設計した仕事を単に請負作業しているというイメージが強い。だが、エイブルの本番さながらの遠隔ロボット工事の試験を見て、考えを改めねばならないことを強く実感した。

 9月に成功した工事は、福島第1原発の1号機と2号機に通じる排気筒(煙突)にかかわるものだった。災害発生直後、原子炉本体の破綻を防ぐために、この排気筒から高線量の放射性物質を含む水蒸気が放出された。地域の人々を苦しめてきた放射線汚染の発生源がこの煙突なのだ。その煙突と付帯設備は高線量の放射能汚染で人が近づくことができないままで、廃炉工事の大きな支障だった。

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