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人員削減すすめる銀行 究極的にほとんど人は要らなくなる (2/2ページ)

 そういう仕事が社会のかなりの部分を占めているから、日本人全体の賃金も頭打ちになってしまうのである。つまり「人手不足なのに低賃金」というのは、パラドックスでも何でもない。論理的に説明できるのだ。

 もう一つの問題は、逆に人が余っている業界で人員整理ができずにいることだ。日本の製造業は円高が進んだ1980年代に生産性を上げて競争力を維持するため、機械化・自動化を推し進めるとともに工場を海外に移した。その結果、国内には人員が多くて効率の悪い間接部門だけが残った。定型業務をやるホワイトカラーは付加価値をほとんど生まないので、全体の生産性を大幅に下げている。

 日本企業はAI(人工知能)やICT(情報通信技術)を駆使してこの人たちの削減を進めることをしなかったから、給料を上げられないのである。

 銀行も完全に人余りだ。報道によれば、三菱UFJフィナンシャル・グループは2023年度末までに三菱東京UFJ銀行の従業員約4万人のうち約6000人を削減する。みずほフィナンシャルグループも2026年度末までに従業員約8万人のうち約1万9000人を減らす方針だ。三井住友銀行も今後3年で約4000人分の業務量を削減するという。

 だが本来、銀行の人員削減は、その程度では済まない。究極的には銀行の存在意義そのものが失われ、ほとんど人は要らなくなるだろう。すでに中国では、モバイル決済サービスの「アリペイ(支付宝)」や「ウィーチャットペイ(微信支付)」の普及により、それが現実のものとなりつつある。そういう金融業界の劇的な変化を、日本のメガバンクのトップは、まだ全く理解していないようだ。

 ※週刊ポスト2017年12月15日号

NEWSポストセブン
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