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【田村秀男 お金は知っている】暮らし向き、実感は今なおデフレ… 脱却に必要な条件とは? (2/2ページ)

 2012年12月のアベノミクス開始後、暮らし向きが悪くなったとする割合は目覚ましく減ったものの、14年4月からの消費税増税が改善基調をぶち壊した。消費税率上乗せ分だけ物価が上昇するので消費者の懐が寂しくなった。

 当時、消費税引き上げに奔走するあるエリート官僚は「消費税率引き上げに伴って物価が上がれば、デフレが終わります」と筆者にうそぶいたことを思い出す。確かに、エリート官僚が米国で学んだ経済学では物価下落基調のときはデフレ、上昇が続くときはインフレなのだが、日本のような慢性デフレを説明できない。

 脱デフレとは物価が上がり続けることではない。物価上昇以上に賃金が上昇することなのだ。物価が2%上がっても、賃上げ率がそれ以下だと、消費者の生活実感は好転せず、消費を抑えるので、需要が減る。その結果再びデフレに戻る。

 気になるのは、安倍晋三政権の緊縮財政路線だ。今年度は補正後の歳出が前年度比、1・1兆円減。補正後の税収見込みは57・7兆円で、16年度税収に比べて2・3兆円の増。つまり、政府は合計で3・4兆円、国内総生産(GDP)比0・7%分もの実需を民間から奪う。

 おまけに、サラリーマンへの所得増税に加えて、20年度は消費税率の10%への引き上げを首相が公約している。首相は経団連に賃上げを求めるが、政府がその前に財政面で民間需要を減らす。全雇用の9割を支える中小企業に賃上げが浸透するのだろうか。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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