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【田村秀男 お金は知っている】円高阻止の鍵は日銀首脳人事にあり 市場にゆるぎないメッセージを (2/2ページ)

 今後どうなるのか。円安局面に戻るのか、それとも、デフレ再燃ラインとされる1ドル=100円前後まで円高が進行するのか。鍵はやはり、何よりも日銀の政策スタンスにある。

 折しも、日銀が29日に公開した2007年7~12月の金融政策決定会合議事録は、当時の福井俊彦総裁ら日銀首脳部の「トンデモ」発言が満載されている。物価が下落しているのに、「デフレ」懸念の一言も出ない。米住宅バブル崩壊が始まったというのに、日銀は利上げ時機を模索するというありさまだ。

 何よりもインフレばかりを気にし、金融引き締めを優先させる日銀の伝統的な考え方は「日銀理論」と呼ばれる。黒田日銀体制は日銀理論を全面否定し、異次元緩和策は長期国債に加えて上場投資信託(ETF)まで買い入れているが、追加策に事欠いている。マイナス金利政策も収益が圧迫される大手銀行などからの反発で「深掘り」できない。日銀理論派が息を吹き返す動きもある。

 安倍晋三首相周辺は「脱デフレを実現するためには1ドル=120円の水準を保つ必要がある」とみているが、市場に揺るぎないメッセージを送るしかない。4月には任期が切れる黒田総裁の続投も噂されるが、円高阻止のためには、思い切った日銀首脳人事の刷新も選択肢になるだろう。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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