記事詳細

【経済快説】「義理チョコやめよう」ゴディバの巧みな広告戦略 “本命グレード”を反感に絡めて訴え (1/2ページ)

 ゴディバ社が日本経済新聞(2月1日)に出した「日本は、義理チョコをやめよう」という広告が、賛否両論を呼んで、話題を集めた。

 ゴディバも広告代理店も大いに検討を重ねて「狙った」広告なのだろう。悪くない効果を上げていると筆者は思う。

 そもそもチョコレート業界が、2月14日を女性が好きな男性にチョコレートを渡す特別な日として世の中に認識させて、さらに、特別に好きな相手でなくても職場の同僚男性などに「義理チョコ」を配ると人間関係に配慮したことになるという「バレンタインデーの行事化」は、マーケティングとして類いまれな成功例だった。

 クリスマスプレゼントの習慣のようになることを目指したのだろう。近年ではコンビニなどで売られる恵方巻き(本当にどのくらい食べられていて、どのくらい食品ロスがあるのだろうか)なども、同様の手法の応用例だといえるだろう。

 しかし、チョコレート業界のバレンタインデーは、あまりにも成功しすぎた。マーケティング上の成功とは、その行為がなかった場合には商品の購入に至らなかった顧客にも商品を購入させることだが、チョコが当然になったために、手間や出費が顧客(女性)の小さくない負担になった。

 職場にA、B、C、3人の女性がいるとする。AとBがチョコを配る場合に、Cが配らないとCは人間関係的に不利になるが、Cも配ったところで、A、B、Cは相対評価上は同様に評価されるだけで、3人とも手間と費用に見合うメリットを得ることはできない。率直に言って不毛な競争均衡であり、仕方がないという意味で「義理チョコ」と言うしかない。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう