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【トップ直撃】『越乃景虎』諸橋酒造・諸橋麻貴社長、手造りの極み「秒単位の作業も多い」 (2/3ページ)

 --東京五輪(2020年開催)に向けて、日本酒をもっと海外に売り出す機会もあるのでは。折しも世界では和食ブームです

 「先代は『目が届く範囲で商売はするものだ』と。これ以上規模を大きくしてしまうと、“人が造る”というわが社の製造理念が維持できなくなるでしょう。日本酒は酒造米や仕込み水を確保するところから始まり、破精(はぜ=米に麹菌が繁殖すること)まわりを見たり、もろみの発酵をチェックしたり、火入れ、瓶詰、出荷と数多くある工程の中には秒単位の作業も多いんです。人の手がおいしいお酒を造り上げていくのです」

 「だから輸出を考えたとしても、複数のバイヤーを通したとき、売値にしてもどのぐらいまで跳ね上がるのか見当がつきません。やはりここは目に見える範囲で、多くの人においしく飲んでいただけるお酒造りをしていきたいと考えています」

 --ところで晩酌は

 「実は母も私もあまり強くないんですよ。亡くなった父もたしなむ程度でしたが、大みそかの夜だけは3人で1年の労をねぎらって乾杯をしてきました」

 --今後は

 「先代は『社長は黒子に回るものだ』とよく言ってました。でも母に言わせると、『この仕事を続けていくための自信をもっと持ったほうがいいのでは』と。実はいまだに先代が使っていた社長室の机といすに座れないんですよ。あのいすに座れるようになるためにも、私の代で蔵を潰すわけにはいかないと強く思っているところです」

 【子供時代】

 母の信子さん(74)は「よく眠り健康で夜泣きもせず、とにかく手のかからない子でした」と話す。一人遊びが好きで、孤独があまり苦にならない性格は成人しても同じ。周りからは「物静かだが芯の強さを感じる」と評される。物事の決断を「『先代ならどうするか』を基本に考えるからではないでしょうか」と自己分析する。

 【趣味】

 中学時代まで習っていた書道を昨年、二十数年ぶりに再開。父の代から付き合いのある書道家に師事している。今、中国唐代の詩人、賈島(かとう)の漢詩「暮過山村」の一節に挑戦するまで腕を上げた。

 ほかには新潟県立近代美術館での美術鑑賞や盲目のピアニスト、辻井伸行氏の音楽鑑賞など。「絵は印象派が好き。毎晩寝る前に1時間ほど辻井さんの音楽を聴くのはストレス解消になります」

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