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【介護離職に備えよ】『親身』な老人ホーム、見極めが大切 キーワードは「自分が先に逝ってもここなら置いていける」 (1/2ページ)

 筆者は先日、この連載で以前取り上げた東京・西八王子の老人ホームの見学会に随行してきた。その際、6カ月前にこのホームに入居したという90代のご主人と80代の奥様のお話を聞き、この連載で訴えている「老人ホームは人徳産業である」ことを改めて痛感した。

 このご夫婦が入居したのは、ご主人の歩行がつらくなり、老老介護で在宅で看るには限界があると奥様が感じたことがきっかけらしい。ご主人は家事がまったくダメで、電子レンジのボタンを押し間違えて「壊れてしまった」と諦めるぐらいで、奥様としては家を1泊留守にすることでさえ不安に感じるほどだったという。「自分は先に逝けない」と思った奥様が、信頼できる知人からこのホームを紹介されて入居を決めたそうだ。

 入居後、ご夫婦は「10年早く入っておけばよかった」としみじみ思ったと言う。ご夫婦に子供はいないため、90代と80代後半になっての2人だけの引っ越しはとても苦労したことがその一因だ。

 身体的な苦労はもちろんだが、自宅を売却するにあたっての交渉や、金融機関や役所との折衝、ホーム入居にあたっての自宅家具や家電品、日用品の処分や再購入など、やるべきことが多すぎて、高齢者の手には負えなかったという。

 ただ、このホームでは入居に際してのさまざまなサポートを職員が休日返上で自宅に来て対応してくれ、引っ越しまで手伝ってくれたという。ご夫婦は「職員がやさしい、あたたかい」「入居者を大事にしてくれているのが、ひしひしと伝わる」と何度も口にされていた。

 ホームや職員がこんな対応をしてくれるかどうかは、残念ながらウェブやカタログでは決して伝わらないし、わからない。だが、このような人による手厚さが老人ホーム選びの重要なポイントであることは言うまでもない。

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