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【図解で分かる「決算書」の仕組み】「あさひ」海外ブランドのスポーツ自転車強化で増益

 本日は、自転車小売チェーン「サイクルベースあさひ」を運営するあさひをピックアップする。同社の直近の実態はどうなっているのであろうか。2018年2月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合が66・5%もあり、安全性についての懸念は全くない。過去の利益の蓄積である利益剰余金が大きく、純資産に厚みがある。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率6・4%、最終利益率3・8%と、収益性についても悪くない。前の期と比べても、売上高も営業利益も増加している。いわゆるママチャリと呼ばれる一般自転車の販売は振るわなかったが、スポーツ自転車や電動自転車の販売台数が好調だった。海外ブランドのスポーツ自転車のラインアップの強化や、スポーツ強化店の増加が業績向上に寄与した。

 最後にキャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業での現金の稼ぎを示す営業C/Fが前の期から減っているのが気がかりである。その要因は、商品在庫が前の期から約20億円も増えたためである。

 膨らんだ在庫が順調に販売できればいいが、最近、日本でも大手各社が自転車のシェアサービスに乗り出している。自転車小売の同社としてはその動向が気になるところだろう。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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