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【介護離職に備えよ】「介護保険がある」は机上の空論 多くの人が自分の将来に無頓着 (1/2ページ)

 先日、筆者は数年ぶりに知人と偶然再会した。彼は40代後半で、離れて暮らす母親がいるという。筆者が社名と仕事の内容を説明すると、彼は「まさに自分は『親のこと』だよ」と、この半年間の苦労を話してくれた。

 きっかけは、半年前に母親が倒れたことだという。その後、入退院や介護などで、彼はてんてこ舞いしたそうだ。それまで彼は公的介護保険の「か」の字も知らなかった。というより、まったくと言っていいほど関心もなかったという。だが、この半年間で「いかに何も知らないか」「何も知らないということがいかにロスか」ということを思い知らされたという。

 その口調からは、本当に大変だったんだなということがひしひしと伝わってきた。そのうえで彼は「このような現実に直面しないと、何もしないんだよね」「こういう現実に直面した人の声をもっと伝えるべきだよね」とも語っていた。

 2020年代に入ると、最後の人口のボーナスゾーンである団塊ジュニア世代が50代に差し掛かる。いよいよ介護離職が急増するのではないか、と筆者はこれまで何度も指摘してきた。公的介護保険の給付費は、制度発足当初の約3兆円から、いまや約10兆円となり、25年には21兆円になると予測されている。「介護保険があるから何とかなる」というのは、まったくの幻想と言えるだろう。

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