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【図解で分かる「決算書」の仕組み】派手なイメージも厳しい経営「サマンサタバサジャパンリミテッド」

 今回は、女性に人気のブランド「サマンサタバサジャパンリミテッド」をピックアップする。直近の同社の実態はどうなっているのであろうか。2018年2月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合が27%程度しかない。一般的な安全性の目安である30%をやや下回っている。早期の財務健全化を図りたいところだろう。有利子負債の割合が大きいのが気になるところだ。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。前の期は何とか黒字に踏みとどまったが、遂に営業赤字に転落してしまった。主力の若い女性向けバッグの販売不振や出荷遅延などの影響で売り上げが減少。人件費を抑制するもコストを吸収することができなかった。これに加えて、事業再編費用として特別損失を計上したため、最終損益は36億円もの赤字である。

 最後にキャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fも赤字転落である。投資C/Fも財務C/Fもマイナスのため、手許の現預金が4割も減少した。

 プロモーションモデルに著名人を起用するなど、派手なイメージの同社であるが、水面下では厳しい状況が続く。経営陣は業績不振の責任を取って役員報酬を減額したが、再浮上するのは至難の業だろう。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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