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【定年後の居場所】65歳まで雇用延長、あなたはどうする? 「嫌なこと」を5年間延ばすことが得策なのか (1/2ページ)

 最近の定年制度に絡む大きな変化は、2013年の高年齢者雇用安定法の一部改正で65歳までの雇用責任が事業主に義務付けられたことだ。一方で、社員側は60歳で定年退職するか、そのまま継続雇用で働き続けるかの選択肢を得た。このため各社のあちこちで定年退職か、雇用延長かで社員間で話し合うことが増えた。

 年度末に定年を迎える2人と私を含めた5人が居酒屋で話し合ったことがあった。

 Aさんは、「今まで38年間働いてきて疲れた。60歳の年度末で退職して区切りをつけたい」と話しているのに、「結果としては雇用延長に手を挙げるつもりだ」と矛盾することを語る。

 ほかの4人がAさんに質問していくと、「退職して毎日家にいることに妻が耐えられないそぶりを見せている」という。面と向かって言わないが、雰囲気で感じるのだそうだ。「単身赴任も長かったので、家に自分のスペースがなく最近は妻に頭が上がらない」と笑っていた。

 翌春に同じく定年を迎えるBさんは、「退職した先輩たちに話を聞くと、家にいても行くところは図書館か書店くらいなので、会社に勤めているほうが健康にもいいと話していた。給与は大幅ダウンしても延長申請するつもりだ」と語りだした。会社にとっては、妻に言われて出社する社員や、健康に良いからという理由で居残る社員を雇い続けなければならないということになる。

 居酒屋での会話はずっと盛り上がっていたが、皆が一瞬静まり返った瞬間があった。Aさんが、「自分の両親は60代後半で亡くなった。それを考えると残りはあと10年だ」と語ったのだ。

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