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【図解で分かる「決算書」の仕組み】綜合警備保障 東京五輪・パラリンピックで収益力アップを

 本日は、警備業界2位の綜合警備保障をピックアップする。直近の同社の実態はどうなっているか、2018年3月期の決算書をもとに読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=(1)を見てみよう。資産に対する純資産の割合は約6割もあるため、安全性については全く問題ない。過去の利益の蓄積である利益剰余金が潤沢で磐石な財務体質であることが伺える。

 次に、損益計算書=(2)を見てみよう。売上高・利益ともに前の期と比べて5%以上も増加した。営業利益率6・9%、最終利益率も4・4%と、それほど悪くはない。しかし、業界首位のセコムと比べると大きく見劣りする。売上高は倍以上の違いがあり、営業利益率もセコムは10%を優に超える。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=(3)を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fは大きくプラスであり、獲得したキャッシュを固定資産の取得やM&Aなどの投資C/Fに充当するとともに、有利子負債や株主配当などの財務C/Fに振り向けている。キャッシュの回し方は非常に良好である。

 2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて警備業界のニーズは増えていくことが予想される。この流れに乗って、事業拡大によるスケールメリットを享受し、収益力アップを図りたいところだ。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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