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【定年後の居場所】「ザ・タイガース」ドラマー、瞳みのるの公演で過去の自分と“再会” この世に一つだけの「物語」思い出す (1/2ページ)

 5月12日に、私が生まれ育った神戸新開地で開催された野外音楽祭に行ってきた。この日の夜のメーンステージは、伝説のバンド「ザ・タイガース」のドラマーとして活躍した瞳みのるさん。「昭和のグループサウンズナンバーでノリノリ!」と銘が打たれていた。

 私が中学に入った頃が、ザ・タイガースの全盛期だった。「君だけに愛を」「花の首飾り」「銀河のロマンス」などのレコードが発売されたのは私が中学1年生の時だ。

 この会場のほんの近くのYクンの家で、「銀河のロマンス」を聞いた時に、「なんていい歌なんだ」と感じたことを思い出した。彼の家には大きなステレオがあって、その音の迫力にも驚いたのだ。当時、私の家には小さなレコードプレーヤーしかなかった。

 この歌は、タイガース主演の東宝映画「世界はボクらを待っている」の主題歌でもあった。新開地の東宝でYクンたちと一緒に見た記憶がある。ジュリーの相手役は、久美かおりという新人アイドルだった。地元でこの曲を聞いたから記憶がよみがえったのだろう。

 会場の一番前は、私と同世代のご婦人方が手を打ったり、うちわを振ったり。きっと、「私は、ジュリーでもトッポでもなくて、ピー(瞳みのる)が一番」とか当時言っていたに違いない。男性陣も昔の曲になればだれもが口ずさむ。私と同様、かつての何かを思い出しているのだ。

 昔の記憶を蘇らせることは「ライフレビュー」といい、認知症の治療にも使われる方法だそうだ。なぜ脳に良いのかといえば、昔好きだった曲を聴くと、急にそのころのドキドキワクワクした感情が戻ったり、ある匂いを嗅いだらある瞬間を思い出すといったことがあるように、当時の感情や記憶を思い出すことで脳がそのときの状態に戻るからだという。

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