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【トップ直撃】繊維業界版の“インテル” 小松精練・池田哲夫社長「日本が世界に勝てるのは加工技術しかない」 (1/3ページ)

★小松精練・池田哲夫社長(59)

 業界の縮小が続くなか、「変わらなければ生き残れない」と言い切る。石川県を地盤にした老舗の繊維メーカーが武器にするのは加工技術だ。「どこにでもあるもの」を「どこにもないもの」に変えることで世界で勝てるという。意識するのは「繊維業界版のインテル」だ。(中田達也)

 --北陸と繊維産業の結びつきは

 「石川県や福井県では以前から絹の精錬(漂白や染色のために不純物を除去する工程)が盛んで、現在もわれわれのような合成繊維メーカーが北陸に拠点を置いています。小松精練はウール、コットン、化学繊維、合繊を合わせて国内シェア11%で、国内ナンバーワンの生産量です」

 --繊維産業の現状はどのようなものですか

 「染色をコアとした産業は1985年以降、約75%シュリンク(縮小)しました。しかし小松精練は15%程度しか落ちていません。変化に対応していったということなんですよ。中国も韓国も台湾も合繊を作り始めたときに、違う路線を進んだことが生き残るポイントでした」

 --「常識を覆す」「今までにないものをつくる」と公言しています

 「ありそうでないもの、コストに絶対的な優位性があるものは、当たり前のことをしていたら生み出せません。工程を変えるとか付け加える、または引いてしまうなど、いままでの常識と全く違った組み合わせで新しいものができると思っています」

 --失敗から生まれた製品もあるとか

 「スキーウエアに使うような素材の加工を失敗して、非常に硬い生地が偶然でき、糸も圧縮されて深みのある色になりました。それをバッグにしたらバカ売れしたんです。考えてできたものではなく失敗したからこそできた商品です。決まり切った仕事をやっても、絶対に売れないんです」

 --次々と新しいものも生まれる

 「繊維は面白いですよ。われわれは原料を作っているわけではなく、糸を作っているわけでもない。糸を編んだり織ったりしてもいないし、最終製品を作っているわけではない。商品のグレードを上げるいちばんの骨格である加工技術でものづくりをしています。どこにでもあるものをどこにもないものに仕上げるというコンセプトで、組み合わせは無限大です」

 --加工技術の役割は大きいと

 「コンピューターの世界では『インテル入ってる』というキャッチコピーがありますが、小松精練の技術がなければスーツやネクタイ、インナーにならない、といったものを作りたいと思います。繊維業界版のインテルが小松精練とでもいいましょうか」

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