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【図解で分かる「決算書」の仕組み】主力の車載機器分野で苦戦「パイオニア」 早期に成長戦略の道筋を

 本日は、パイオニアをピックアップする。直近の同社の実態はどうなっているのか。2018年3月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合は、安全性の目安である30%を割り込んでいる。業績低迷で徐々に純資産が目減りしているため、財務基盤は徐々に弱体化している。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。主力のカーナビ、カーオーディオの販売が不振で、売上・利益ともに前の期よりも減少した。その結果、営業利益率はわずか0・3%と赤字スレスレである。販売不振の要因は、若者の自動車離れも一因かもしれないが、それ以上に影響を及ぼしているのがスマホのアプリだろう。利用者の立場からすれば、カーナビもカーオーディオも、無料アプリで代替することができる。結果としてスマホに市場を侵食されていることが伺える。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業のキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fはプラスを保っているが、投資C/Fを賄えるだけの稼ぎは出せていない。

 プラズマテレビや家庭用AV機器から撤退し、車載機器に注力してきた同社であるが、その車載機器分野でも思うような成果が得られていない。成長戦略の道筋を早期に見つけたいところだ。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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