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東芝がシャープにPC事業売却 個人向け商品“消滅”

 経営再建中の東芝が、ノートパソコン(PC)の「ダイナブック」で知られるPC事業をシャープに売却する方針を固めた。東芝は世界で初めてノートPCを商品化し一時代を築いたが、PC事業は不正会計の温床にもなっていた。PC事業を売却すると東芝の個人向け商品はほぼなくなる。

 買収額は50億円前後とみられ、契約締結へ両社が最終調整している。

 東芝は財務改善のため、営業利益の9割を稼いだ半導体子会社「東芝メモリ」を1日に約2兆円で売却した。並行して不採算事業の整理を進めており、すでに白物家電事業を中国の美的集団、テレビ事業を中国の海信集団(ハイセンス)に売却している。

 東芝は1985年に世界で初めてノートPCを商品化。一時は世界シェア首位だったが、スマートフォンの普及に伴う市場縮小や中国、台湾勢との競争で販売が低迷。2018年3月期は96億円の営業赤字を計上した。

 シャープも1995年から「メビウス」ブランドでノートPCを展開していたが、2010年に撤退。今回の事業買収によってPC市場に再参入する。

 シャープは台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下で経営再建を進め、18年3月期連結決算では最終損益を4年ぶりに黒字転換、さらなる成長に向けて事業拡大を模索している。

 主力とする液晶関連事業では、PCは中小型液晶パネルの大きな供給先となる。また、親会社の鴻海精密工業はPCの受託生産を得意としており、その部品調達網を活用するなど協業効果も期待できる。

 シャープの戴正呉社長は昨年4月、「IT機器で再び市場参入したい」と述べ、PC事業への再参入に意欲を示していた。

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