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【経済快説】ソニー前社長「報酬27億円」は高い?安い? サラリーマン経営者も「10億円」身近に (1/2ページ)

 ソニーの平井一夫会長(前社長)の昨年度の報酬が約27億円に及ぶという。ストックオプション(株式買入権)による報酬も含めてのものだが、ソニーの歴代経営者として最高額の報酬になる。

 「まだまだ安い」「妥当だ」「高過ぎる」-。読者はどう思われるか。

 筆者は、手放しで「妥当」とまで言わないが「世の中の流れから見て、異常ではない」と思う。

 デフレで不況だった時代も含めて、日本の上場企業の経営者の報酬はじわじわと上がり続けてきた。労使の対立を煽(あお)るつもりはないが、従業員の給料が上がらない中ででも、上昇し続けたのだ。それが近年、さらに勢いを増している。

 これまで、数十億円単位の報酬を手にすることが可能だったのは、自社の株式を大量に持つオーナー経営者だけであったが、サラリーマン経営者にとっても「10億円」が身近になりつつある。

 この動きは、一言でいうと米国のやり方に近づいているのだが、良くも悪くも日米の会社を足して2で割ったようなソニーの経営者が高額報酬を手にするのだから、平井氏のケースは象徴的だ。

 平井氏の報酬の内訳に、業績連動報酬やストックオプションが入っていることから容易に想像できるように、経営者の報酬は株主が経営者の鼻面の前にぶら下げたニンジンの役割を果たしている。

 株主が期待することは、経営者が利益を上げることとともに、配当や自社株買いによって、株価を上げることだ。近年よく耳にする「ROE(自己資本利益率)」を上げるにも、自社株買いによる自己資本の圧縮が有効だ。