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【こんな時代のヒット力】“1300分の1”から“オンリーワン”に…アサムラサキ「かき醤油」 各地で試食重ね大手寄せ付けぬ新市場に (2/2ページ)

 商品サンプルも100万個作った。それも「10ミリリットル、20ミリリットルでは捨てられてしまう。醤油さしに入れて使ってもらう100ミリリットル入りのサンプルを作り配布した」。

 毎年2月、広島県内の各地で「かき祭り」が行われ、全国から観光客が訪れる。そこに欠かさずブースを出展し、藤井氏を筆頭に全社員が100ミリリットルのサンプルを配布し、試食を行った。テレビCMなどの大きなことはできないため、愚直なまでにイベント出展、試食販売、サンプル配布を繰り返し、味の認知を図った。

 そのかいあって、少しずつバイヤーにファンが生まれ、95年から大口の注文が入るようになった。大手が売ると、他も追随する。瞬く間に数万個単位で注文が殺到。年間で億単位の売り上げとなり、かき醤油という新たなカテゴリーを創出。「だし醤油」の先駆となった。現在、このジャンルには大手他社も進出し、激烈な競争となっているが、同社は圧倒的なシェアを誇る。

 暑い季節、冷ややっこにそのままかけるのもうまいが、「かき醤油、オリーブオイル、にんにくを混ぜ、トマト、なす、ズッキーニと合わせてレンジで加熱するだけの『ラタトゥイユ』がお勧め」(藤井悠子・社長室室長)という。(村上信夫)