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【こんな時代のヒット力】洗濯の回数減り、室内干し増加…習慣の変化に対応 「洗剤は鮮度」で攻勢 P&G「アリエールジェルボール3D」  (1/2ページ)

 マーケティング用語に「属性順位転換」という言葉がある。消費者の意識を変え、商品が競う土俵(機能)の優先順位を変えることだ。

 洗濯洗剤は長い間、「白く洗いあがるのがいい洗剤」だった。これに挑んだのが世界最大の消費財メーカーの日本法人、プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンである。2000年代、「アリエール」で「除菌」という属性順位転換を行った。

 14年発売の「アリエール ジェルボール」では洗濯1回分を水に溶けるフィルムで密封し、1粒を洗濯機に入れるだけという「粉末でも液体でもない第3の洗剤」を発売。3年で1億個を売り上げた。キャップで計量する過程を省いた簡便性が「転換」を果たしたのだ。

 しかし17年、その大ヒット商品を終売。黄ばみや黒ずみを落とす機能を強化した「アリエール ジェルボール3D」を発売した。ここ数年の「洗濯環境の変化に合わせた」(広報渉外本部ファブリック&ホームケア担当、森朋子氏)という。

 同社は定期的に生活調査を行っている。その中から「洗濯回数が減り、毎日から週末にまとめてにシフト。さらに、室内干し増加」というトレンドの変化に気がついた。理由は働く女性が増えたことによって生まれた「洗濯の時間・手間を減らしたい」というニーズだ。

 しかし、汚れはそのまま置いておけば蓄積され、皮脂は時間とともに酸化し衣服のくすみ、黄ばみ、黒ずみの原因となる。そこで時間がたって落としにくくなった汚れに着目、開発を始めた。だが、日本の洗濯事情が課題となった。欧米では40度程度のお湯で洗濯する。一方、日本では水道水を使用するため洗濯水の温度が低く、欧米より短い時間で洗剤の効果を発揮しなければならない。