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【大前研一 大前研一のニュース時評】日本のキャッシュレス決済 数年で中国と大きな差、規格統一すらできず (2/2ページ)

 今年度は2次元バーコード「QRコード」の規格統一や、自動販売機のキャッシュレス化促進に取り組み、キャッシュレスの決済比率を2025年までに40%に高めるという政府目標の達成を目指すという。

 この方針、腹を抱えて笑うしかない。こんなもの、中国ではアリババ傘下の金融関連会社アントファイナンシャルが1社で突っ走って、一気に促進したことだ。

 米国の医療システムも1社が突き抜けたことで風穴が開いた。サンフランシスコの新興企業で、医師が患者の医療記録を管理するクラウド・サービスを提供するプラクティス・フュージョンという会社がスマホに開業医の診療データや処方箋を入れ、これを送信するだけで薬が買えるようにしたのだ。

 日本でも厚生労働省が動いているが、いまだに規格すら決まっていない。キャッシュレス決済も同じようなことになるだろう。経産省が150社集めて「QRコードの規格を統一しましょう」「電子レジを標準化します」なんて言っても、話しているだけで日が暮れる。永遠に統一できない。日本はQRコードを発明した国なのに、規格統一すらできていない。

 150社も集めてはダメ。1社が駆け抜けたら、それで済む話だ。そのへんが中国との彼我(ひが)の差というか、スピード感のなさだろう。そもそも経産省が音頭をとること自体が大笑いだ。全銀システムやCATなどの縛りや規制がなければ、どこかの企業がとっくにやってしまっているはずだ。

 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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