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【図解で分かる「決算書」の仕組み】独自の音声合成技術で収益力バツグン「エーアイ」

 本日は、テキスト情報を音声に変換する音声合成システム『AITalk(エーアイトーク)』を手掛けるエーアイをピックアップする。先月、東証マザーズに上場した同社であるが、その実態はどうなっているのだろうか。2018年3月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の比率が90%近くあり、安全性の懸念は全く問題ない。しかも、資産全体のうちの約8割が現預金である。小規模企業ながら、かなりのキャッシュリッチ企業といえる。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率24・7%、当期純利益率18・4%と、収益力も非常に高い。同社の強みは、独自の研究開発による質の高い音声合成技術と、少ない収録音声での音声辞書の作成による短納期・低コスト実現にある。売り上げ規模が拡大すれば営業レバレッジが効いて、各種利益率もさらに向上するだろう。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業での稼ぎを示す営業C/Fは大きくプラスとなっている。そもそもキャッシュが潤沢にあるので、資金面では何の問題もない。

 IoTやロボットの普及で同社の技術の活用シーンは広がっている。上場による知名度向上で、更なる業績向上が大いに期待できる。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。