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【図解で分かる「決算書」の仕組み】ギリギリの黒字、今後の成長戦略に注目「ヴィレッジヴァンガードコーポレーション」

 本日は、書籍・雑貨の小売チェーンを営むヴィレッジヴァンガードコーポレーションをピックアップする。ここ数年、業績低迷が続いていた同社であるが、直近の実態はどうなっているのだろうか。2018年5月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の比率は約33%である。前の期は約28%だったので、安全性はやや改善された。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率1・1%、当期純利益率0・7%と、ギリギリの黒字である。赤字子会社を売却し、事業を縮小したことで収益性が改善された。販売管理費の圧縮効果もあり、3期連続最終赤字は何とか回避することができた。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを示す営業C/Fは大幅に増加した。投資C/Fも、フード事業を売却したことでプラスとなった。加えて、新株発行により自己資本を増加させ、財務C/Fもプラスだ。事業の選択と集中で、財務体質の改善を図っていることが伺える。

 規模を追いかけるのではなく、いったん稼げる収益構造になるよう戦略の方向転換をした同社。では、今回の黒字化によって、今後はどのように成長戦略を描くのか。真価が問われるのはこれからだ。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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