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【榊淳司 マンション業界の秘密】米中貿易戦争が不動産市場を直撃か 最も危険な暴落予備軍は… (2/2ページ)

 不動産の価格というものは景気と密接に連動する。景気が良いと工場や倉庫、事務所、店舗、住居など不動産に対する需要が増大する。当然、その価格も上昇する。

 逆に景気が悪くなれば不動産への需要がしぼむ。使わなくなった事務所や工場、住居は無人になる。そこからは富が生まれなくなるので、不動産自体の価格は急低下する。

 今、日本の不動産市場は非常にいびつな状態にある。人口減と産業構造の変化によって日本の国土の9割以上には、財産的な価値が失われている。そして大都市や地方都市の一部不動産だけが、説明のつかない高値で評価されている。いわゆる局地バブル状態だ。

 米中貿易戦争が過熱し、このまま世界的な不況に突入すれば、このバブル的にふくらんだ局地エリアの不動産こそが、最も危険な暴落予備軍になる。

 危険はまだ顕在化していない。多くの人々は、「まさか米中がガチで貿易戦争はしないだろう」と楽観的に考えている。

 しかし、それは大きな間違いである可能性がある。これはトランプ大統領という一風変わった人物が起こしている一過性の騒ぎではなく、次の世代の世界の覇者を決める大きな戦いのゴングかもしれないのだ。

 米国はかつて日本帝国やソ連という自国の地位を脅かしそうな新興国を、何十年も時間を掛けながらさまざまな手段を用いて潰してきた。

 次は米中対決の時代かもしれない。そうであれば、米中の貿易戦争が一過性に終わることはない。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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