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【図解で分かる「決算書」の仕組み】潤沢キャッシュで新事業参入「グノシー」 今後の展開に注目!

 本日は「Gunosy」「ニュースパス」などのニュースアプリを運営するグノシーをピックアップする。昨年12月に東証マザーズから東証一部に指定替えを果たした同社であるが、直近の実態はどうなっているのか。2018年5月期の決算書から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合が75%もある。有利子負債が全くなく、保有する資産の大部分が現預金で占めているキャッシュリッチ企業である。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。最終利益が前の期の半分近くまで減少したため、成長にブレーキがかかったかに見えるが、実はそうではない。投資先の業績悪化で、投資有価証券評価損を7・6億円計上したためである。つまり本業とは無関係の要因による減益である。営業利益率は17%を確保し、前の期から売上高は45%も増加し、営業利益と経常利益も28%増加となった。成長性はまだ健在である。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業でのキャッシュの稼ぎを表す営業C/Fは23億円のプラスとなり、前の期から1・5倍近く伸長した。これにより保有するキャッシュはさらに積み上がり、87億円となった。

 今後は潤沢なキャッシュを使って、ブロックチェーン事業や投資育成事業に参入するという。今後の同社の展開に注目したい。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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