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【大前研一 大前研一のニュース時評】「大塚家具」はカネのある間に店じまいを 競争激化の中で経営再建は商品コンセプト的に困難 (2/2ページ)

 そこで、3年前に長女の久美子社長が勝久氏と激しい委任状争奪戦を繰り広げた末に経営権を取得。会員制を廃止して、客の裾野を広げ、単品売りを基調にするお手軽なカジュアル路線を経営方針にした。従来の高級路線を転換して中価格帯の商品を増やした。

 しかし、安い商品を扱ったことでブランド価値が下がり、その一方でニトリなどの低価格の競合店に押され、店舗売上高は7月まで12カ月連続で前年割れが続いている。2018年12月期決算では3期連続の赤字となる見通し。大塚家具は無借金経営を貫いているものの、15年末に109億円あった現預金は今年3月末に10億円にまで減少した。

 私は、カネのある間に従業員に支払って店じまいをしなさいと提案したい。新宿ショールームなどの賃貸のリースは、途中でキャンセルするとペナルティーが発生するので、それを払うか、あるいは空いたスペースが欲しいTKPに肩代わりしてもらう。

 父・勝久氏は、高級家具販売の匠大塚を設立した。この父と娘のお家騒動で大塚家具のブランドイメージが悪化したといわれるが、親子げんかは関係ない。争奪戦の勝者は結局、どちらも正しくない戦略を突き進むことになっていたのだ。もはや会社として生き残っていくのは、商品コンセプト的に無理だ。身売りするとか、資本提携するというレベルの話ではない。

 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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