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【図解で分かる「決算書」の仕組み】来年2月に値上げ…業績への影響に注目「キュービーネットHD」

 本日は、ヘアカット専門店「QBハウス」を展開するキュービーネットホールディングスをピックアップする。今年3月に上場したばかりの同社の実態を、2018年6月期の決算書(国際会計基準)から読み解いてみよう。

 まず、貸借対照表=〔1〕=を見てみよう。資産に対する純資産の割合は40%近くあり、安全性についての懸念は特段ない。ただし、総資産の半分以上がのれん(目に見えない収益力)という点が気になるところだ。同社ののれんは投資ファンドによる買収が繰り返された結果によるもので、本業のヘアカット事業の成長性が加味されている。そのため、本業が失速すれば、のれんの減損により、総資産が一気に半分以下になる恐れはある。

 次に、損益計算書=〔2〕=を見てみよう。営業利益率8・5%、最終利益率5・4%と、収益力は悪くない。1000円カットという低価格戦略ながら、10分間という短時間でカットすることで顧客回転率を高めていることがその要因だろう。売上高も営業利益も着実に増加している。

 最後に、キャッシュ・フロー計算書=〔3〕=を見てみよう。本業で稼いだキャッシュを、新規出店などの投資に充当していることがうかがえる。アジアを中心に、海外出店も積極的に行っている。来年2月に1200円に値上げをすると発表した同社であるが、業績にどのような影響を及ぼすのか注目したい。

 ■川口宏之(かわぐち・ひろゆき) 公認会計士、早稲田大大学院非常勤講師。1975年、栃木県出身。専修大経営学部卒。図を多用した会計に関するセミナーは会計の素人にも分かりやすいと評判。著書に『決算書を読む技術』(かんき出版)。

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