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【経済快説】勲章廃止で日本社会はもっと変われる… 政治利用、「地位」が作る老害はいらない (2/2ページ)

 また、単純に高齢であることをもって「老害」と決めつけるのは不適切だが、能力や時代感覚が衰えた経営者、学者、文化人などが、自分の持つ地位にしがみつく現実的モチベーションの一つに勲章があるように思う。勲章制度は、日本の社会・経済・文化の人的な新陳代謝を阻害している。

 企業や経済界だけを考えるとしても、叙勲制度がなければ日本はもっと変わることができよう。「勲章待ち」で地位にしがみつく老人は有害だ。

 また、特定の公的地位(政治家、官僚を含む)、特定業種・企業の経営者、特定分野の学識者・芸能人・文化人などを、他の市井の人々と区別して顕彰することに何の価値的な意味があるのか。

 世界的にも、例えば、ノーベル文学賞は選考メンバーが利権にまみれていたことが明らかになり、権威が揺らいでいる。「作家が権威によって評価されるのはおかしい」と受賞(1964年)を拒否したジャン・ポール・サルトルは立派だったと改めて思う。村上春樹さんも同様の見識をお持ちだろうと期待する。

 人の評価は政府ではなく市井の人が行うといい。まして、天皇の権威を使うのは不適切だ。(経済評論家・山崎元)

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