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【榊淳司 マンション業界の秘密】人気中古タワマン価格に異変… 不動産好き富裕層の意識に変化か? (2/2ページ)

 ■坪単価下落

 確かに、売り出し物件は一時期に比べて少なくなっていた。逆に成約事例は増えている。驚いたのは、売り出し中の住戸価格の1坪単価と、成約事例のそれに大きなかい離が見られたことだ。ざっくり眺めていると、50万円から100万円、売り出し中の価格の1坪単価が下がっている。これはどういうことなのか。

 私の現場感覚では、今年に入ってから不動産好きの富裕層たちが「早めに売ろう」という意識を強めている。特に値上がり狙いで購入した新築物件については、売主側が弱気に転じたと思われる成約事例をポツポツ見かける。

 ただ、そういう取引の風景が一般消費者の目に触れることはほとんどない。中古マンションの資産価値評価サイトを見ている限り、まだまだ値上がり傾向は続いているのだ。

 しかし、市場の現実は静かに動いている。こういった変化が一般消費者の目にも見えるようになると、本格的に流れが変わるのではないか。だから、売りたい物件があるのなら、少しでも早く市場に出すべきだ。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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