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【トップ直撃】小売業界に飲まれぬ硬軟自在の経営 アサヒフードクリエイト・保坂実社長「『スーパードライ』で人生変わりました」 (1/3ページ)

★アサヒフードクリエイト・保坂実社長(60)

 創業1897(明治30)年。老舗外食企業アサヒフードクリエイトのトップに昨春就任した保坂実氏。アサヒビール時代は業務用(飲食店)市場開拓のやり手として知られ、アサヒフードクリエイトに転じるや、昨年、今年と相次いで新型店舗を東京、大阪でオープンさせた。その勢いで突進するかと思いきや、今後はまず既存店、人材等の再活性化に重点を置くという。山あり谷ありの苦労人。硬軟使い分ける経営が見ものだ。(清丸惠三郎)

 --昨年、東京・八王子、今年に入って新宿と大阪・肥後橋に新しい店を出しました

 「八王子は『Sole Sole』という店名で、JR八王子の駅ビル内のイタリアンです。トマトベースの料理に、おいしいワイン、イタリアの高級ビール『ペローニ』や工場直送の『スーパードライ』がたのしめます。開店時は思った以上に大変な人出でした。ただその後、駅ビルが改装工事に入り、それも9月にようやく終わるので、秋以降、ご家族連れなど多くの方にご愛用いただけるだろうと思っています」

 「新宿と肥後橋の店は、『Asahi BeerFront』という名で、アサヒグループとしては初の直営ビア・パブです。いずれもホテルの1階部分に出店したもので、今年7~8月にかけてオープンしました。まずは順調な立ち上がりです」

 --就任後、これらの店を相次いで出したわけですが、今後も積極的に出店するのですか

 「いや、まずは既存の店の活性化を優先して、しばらく新規出店は慎重に考えたいと思っています。理由は飲食業界、特にビアレストランと呼ばれる業態が極めて難しい状況に立たされていること。飲食業界全体を見ると、コンビニエンスストアなど小売業界が飲食業界に近づき、マーケットが侵食されつつあります。そうした中で、若者のビール離れが言われたりもしており、出店は慎重に見極める必要があるとみているからです」

 --飲食業界はどこも人手不足、人件費の高騰に悩んでいます

 「当社も例外ではありません。アサヒグループの1社としては、残業時間などを含めてコンプライアンス(法令順守)を重視しなければいけません。どうしても人手が足りない店では、コストはかかりますが、派遣で急場をしのがざるを得ず、慣れない人が多くてお客さまを逃すような場面も出てきています」

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