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【こんな時代のヒット力】“眼鏡”をかけた人だけで作ったお米 福井精米「めがね米」 (1/2ページ)

 同じ商品でもデザインの仕方で、新たな価値を生み出すことがある。この場合のデザインとは外見のことだけではなく、要素を創造的に活用することである。

 2016年発売の福井精米(福井市)の「めがね米」(2合入り)は、その成功例だ。「めがねをかけた人たちだけで作った」というデザインで、3年連続全量完売。「全量といっても、多い年で5トンほどですが…」と同社代表、樋田光生(ひだ・みつお)氏は謙遜する。

 きっかけは、樋田氏がウェブ制作会社で、眼鏡をかけた人たちだけで作った「メガネ専用日本酒」を見せてもらったことだった。

 福井県では国内の眼鏡フレームの9割以上が作られ、特に鯖江市は日本国内の眼鏡フレームの生産量の約9割、世界生産量の2割を占める。「どうせなら、眼鏡の聖地・鯖江のお米で、生産者(農家)から製造加工業者(米店)、販売者(ウェブ制作会社)まで眼鏡をかけた人だけで作ろう」と樋田氏は考えた。

 新たな設備投資などのリスクがないこともあり、樋田氏はすぐに行動した。しかし、関わる人のすべてを“顔出し”しようと進めたものの、顔出しOKの農家を見つけることに苦労する。さらに、めがね米の2合サイズは精米から計量、専用のパッケージに詰めてひもを結ぶまで、全部手作業。「人員も眼鏡をかけている人だけに絞ったため、誰でも手伝えるというわけではない点で時間がかかった」(樋田氏)。

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