記事詳細

【田村秀男 お金は知っている】米中貿易戦争が都心マンション熱に冷水!? 見逃せないチャイナマネーの動向 (2/2ページ)

 ところが、最近は中国人の足が遠のいている。習近平政権による資金持ち出し規制のあおりだが、規制はさらに強化されることはあっても、緩和される可能性はゼロだ。おまけに、米中貿易戦争が勃発した。

 グラフは東京圏のマンション取引件数を人民元の対ドル相場と組み合わせてみた。一目瞭然、取引は人民元安と連動して急増してきたが、17年秋からは頭打ちになっている。そのトレンドの転換は人民元相場の上昇を受けたように見える。

 人民元相場は中国からの資本逃避によって左右される。15年夏に中国人民銀行は輸出のてこ入れのために人民元の基準相場の切り下げに踏み切り、元安を容認した。すると、中国の富裕層や党幹部が当局の流出規制の抜け穴を使ってカネを外に持ち出す。その結果、人民元が大量に売られるので、元安が加速する。つまり、元安は資本逃避の原因であり、同時に結果である。逃避マネーの行き先の一つが東京などの億ションということになる。

 慌てたのが習近平政権である。外準の急減に危機感を募らせ、資金流出規制を徹底させている。資本逃避は抑制され、人民元相場は高めに反転した。それはカネが東京の不動産などに流れないことを意味し、マンション取引件数に反映する。

 米中貿易戦争は人民元を押し下げる要因だが、以前と違って習政権はカネの持ち出し制限体制を築き上げた。チャイナマネーの東京への流入が回復する見込みはない。超高価マンションの相場を押し上げる外部要因は失せたのだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

関連ニュース