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【介護離職に備えよ】急務! 「職歴なし」のヤングケアラー対策 (1/2ページ)

 「ヤングケアラー」という言葉をご存じだろうか。

 親や祖父母の介護をする10代から20代の若者のことで、最近この層が増えており、社会から孤立したり、進学をあきらめたりしていることが問題になっているというのだ。

 筆者はこの言葉が初耳だったので驚いたが、祖父母を介護する両親の苦労を見て、介護の世界を目指す若者がいることは知っていた。だが、現実にヤングケアラーであるA氏の話を聞く機会があり、その深刻さを改めて認識させられた。

 A氏は30代前半だが、10代後半から20代のほとんどを母親の介護に費やしてきたという。母親はA氏が高校生のときに難病を患い、身体症状だけでなく精神面にも問題を抱えた。効果的な治療法がなく、母親の病状は少しずつ悪化していったため、A氏は専門学校を卒業後、就職することなく母親の介護に専念していたという。

 幸い、父親が働いていたため生活が困窮することはなかったというが、父親の定年が近づいたこともあり、20代後半になったころ、専門学校で学んだ知識を生かせないかと就職活動を試みたそうだ。しかし、職歴がないことがネックとなって、なかなかうまくいかない。

 何社も落ち続けた末、A氏は面接で母親の介護のことを言う決心をした。介護については、それまであえて触れなかったが、「カミングアウトしてみると、意外にも介護経験を評価してくださる人が多かった」という。

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