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【こんな時代のヒット力】高くても使えば分かる…画期的な「たわし」 キクロン「キクロンA」 (2/2ページ)

 児玉氏は、「とにかく使ってください、文句なしに良いのです」と全国の販売店を巡った。そこでは、必ずキッチンに入り商品の良さを説明。10円玉をピカピカに磨いて見せた。さらにポップを作って店先に置いてもらうという販売の提案も行った。販売店の認知を高めるため、業界紙への広告掲載も頻繁に行った。さらに、出張の行き帰りの列車内で、乗り合わせた人に「とにかく使ってください」とサンプルを渡して回った。

 開発部の塩田かおり氏は「当初の地道な営業活動による全国への広がりと、それを今につないだことで、その後の価格競争に飲みこまれずに済んだ」という。そのうえで、「丈夫で長持ち。汚れ落ちが良い。持った時の手のなじみが良い。一度使うとまた使いたくなる品質」が販売を伸ばしたと語る。

 発売から約60年、その間、洗浄力、耐久性をアップするために素材を改良。貼り合わせの方法も改良している。それが創業者の「とにかく使ってください、文句なしに良いのです」の開発精神だ、と塩田氏は言う。(村上信夫)

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