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【オトナの社会科見学】日本初の近代海図を展示中 海上保安庁「海洋情報資料館」

 海上保安庁の「海洋情報資料館」で、展示会「激動の明治期を支えた海の先人たち」が開催されている。11月30日まで。日本最初の洋式灯台、観音崎灯台の起工日である11月1日の灯台記念日と、明治150年を記念した特別展示だ。

 見ものは日本初の近代海図で、明治4(1871)年、岩手・釜石港周辺のもの。釜石は、東京から函館のちょうど中間補給地で鉄の精錬地。頻繁な水路往復のため、海図が必要とされた。底の深い蒸気船が安全に航行できるよう、図のそこかしこに海の深さを示す数字を記す。当時は重りをつけたひもで水深を測ったという。

 作業を主導したのは、わが国水路測量の父で、「海の伊能忠敬」とも呼ばれた柳楢悦(ならよし)、海上保安庁提供。彼は長崎海軍伝習所で勝海舟らと学び、明治政府から招かれ水路局長に就任。わが国独自の力で港湾測量を行うことを旨とし、「徹頭徹尾外国人を雇用せず(中略)改良進歩を期すべし」との言葉が伝わる。

 全国の沿岸や港の海図作製に心血を注いだ、展示中の東京港や横浜、横須賀など各地海図の多くにその名が記される。図には狩野派の画家の名もあり、仕上げるのに各界の力が決集したと分かる。ちなみに彼は勝海舟に紹介された女性と結ばれ、子供の一人が民芸運動を起こした柳宗悦(むねよし)である。(矢吹博志)

 「海洋情報資料館」(東京都江東区青海2の5の18、(電)03・5500・7155)10~17時。入場無料。日、月、水、金曜日開館。

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