記事詳細

【こんな時代のヒット力】ロゴマークは「地獄の7年間」支えた“女神”の顔 浅野撚糸「エアーかおる」 (2/2ページ)

 開発は1日の仕事が終わった午後9時から深夜まで及んだ。年間500回以上の試験を行った。2年、3年…ついに普通の綿の糸の2倍に膨らむ「スーパーゼロ」を開発。これならと、全国のメーカーに売り込んで回ったが、「ほとんど門前払い」だった。

 突破口を求め、三重県津市のおぼろタオル(1908年創業)と提携する。同社も売り上げはピーク時の3分の1まで落ち込んでいた。タッグを組んだものの新しい撚糸は織れない。温度、時間など、試行錯誤すること300回。ついに改良版を完成させた。タオルに織ると吸水性、速乾性は通常の1・5倍、洗濯してもボリューム感がなくならず、毛羽落ちも少ない優れものだった。

 07年、「エアーかおる」発売。浅野氏自ら「狂気の開発、地獄の7年間だった」というどん底から脱出した。「エアーかおる」のロゴマークは、その間を支えた奥さんの顔だ。

 これが限界だと諦めたとき、そこで終わる。運命の女神は、諦めなかった者にだけ微笑むのだ。(村上信夫)

関連ニュース