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【新・兜町INSIDE】10月、日経暴落も公的年金出動せず 「買い余力」温存か

 10月は日経平均が最大3746円安と、リーマン・ショック時を超える急落に見舞われた。しかし、この間、かつてPKO(株価維持策)として批判を浴びた公的年金の防戦買いは実施されなかった。

 東証集計の株式売買状況によると、10月は海外勢と証券会社の自己売買部門が合計1兆6339億円の売り越しで、下げ相場を主導した。一方、個人は1兆円超の買い越し。東証集計に独立した項目はないが、日銀も10月に8700億円のETF買いを実施して相場を支えた。

 公的年金の株売買を任されている信託銀行は売りが買いを58億円上回る小幅売り越し。株価の急落中も買い支え的な動きは全くなかったといえる。

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の9月末現在の国内株式比率は目標値である25%とほぼ同水準。内規では34%まで国内株を増やせるが、今回は買いに走る必要なしとGPIFは判断したようだ。理屈抜きで買える超割安な水準まで株価が下げなかったため、買い余力を温存して静観に徹した格好だ。

 【2018年11月12日発行紙面から】

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