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【トップ直撃】25年連続黒字の秘訣は…社員を大事にする「進化した日本的経営」 日本レーザー・近藤宣之会長 (1/3ページ)

★日本レーザー・近藤宣之会長(74)

 経営難の企業トップは、よく耳を傾けてほしい。3年連続で債務超過だった会社を人員削減なしで再建し、25年連続黒字を続けている経営者がいる。経営がうまくゆく秘訣(ひけつ)は「社員を大事にすること」だというのだ。国内外の企業関係者が注目する「進化した日本的経営」について聞いた。(中田達也)

 --社員を大事にすることを徹底しています

 「『終身雇用があるから日本は新しい時代に取り残される』という論調がありますが、とんでもないですね。希望退職は、経営の失敗を労働者にしわ寄せしている犯罪行為ですよ。リストラをやった会社の評価が高まるというのも間違っています。うちはパートも嘱託も70歳雇用ですが、80歳まで働きたいという社員もいます」

 --一方で、社員を甘やかすわけではないと

 「いままでの日本企業では年功序列で、学歴のある男であれば、給料はそこそこ上がっていきました。うちの場合は雇用を保証する代わりに評価は厳しいものです。社員一人一人が英語力やレーザーに関する知識、提案型営業などの面で成長しないと雇用を維持できません。生き残るには進化した日本的経営しかないと思います」

 --進化とは

 「日本人中心、男性中心、学歴重視をやめるということです。雇用を守るために多様な人事制度や待遇、評価制度が確立されていますが、透明性が高く、運用した結果にみんなが納得することが大事です」

 --社員を大事にすることが黒字経営にもつながっていると

 「会社のピンチは何度もやってきます。経営者と社員が一体となって乗り切るしかありませんが、社員を大事にしないとロイヤルティー(会社への忠誠心)も下がってくるし、自分を守るようになって献身しなくなる。会社が本当に困ったときに誰も手を出してくれなくなります」

 --ピンチを何度も乗り越えてきたそうですね

 「レーザー機器の輸入ビジネスは為替に大きく左右されます。一時は1ドル=75円だったのが、2012年にアベノミクスが始まって、15年には125円まで円安が進みました。15億円で買えていたものが25億円になると、売り上げ規模が30億~40億円の会社で吸収できるわけはありません。そこで火事場の馬鹿力が出て、新しい商品を導入したり、値上げできない従来の商品は量を増やしたり市場を変えるなど、あらゆる努力をした結果、赤字にならずに済みました。リーマン・ショックもありましたが、25年間で一度も赤字になっていません」

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