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【トップ直撃】25年連続黒字の秘訣は…社員を大事にする「進化した日本的経営」 日本レーザー・近藤宣之会長 (2/3ページ)

 --危機を乗り切るために必要なことは

 「身の回りに起きることは全て必然だと考えて、人のせいにはしないことです。健全な危機感や圧倒的な当事者意識、そして取引先を含めて一緒に生きていこうという仲間意識が大事だと思います」

 --こうした経営は日本レーザーだから可能だというわけではないと

 「レーザーの輸入商社は、売れなければメール1本で代理店契約を切られるし、売れたら売れたでメーカーが直接売ろうとする。取引先が大手に買収されてしまうこともある。それでも赤字にはしていません。ほかの会社ならもっと簡単でしょ? というわけです」

 --社員は自分たちが大事にされていると実感していますか

 「社員が辞めないということが通信簿でしょう。新入社員で4年以内に辞めた人はゼロ。女性が第1子の妊娠出産後、辞めたケースもゼロ。転職組で辞めた人も事実上ゼロです」

 --今後力を入れる事業は

 「メディカル部門です。テレビのリモコンと同じ近赤外線のレーザーを当ててがん細胞を死滅させる光免疫療法の治験が行われています。薬事法では年に一度、レーザーの機能のチェックが義務付けられているので、機器の修理や消耗品などのビジネスを考えています」

 【リストラ】日本電子に入社後、28歳の若さで労働組合の執行委員長に就き、11年務めた。

 30歳のときには会社の経営悪化で正社員の3分の1の希望退職が行われた。「『組合なのに雇用を守れなかったのはどういうわけだ』と言われたのがショックでした。組合がどんなに強くても経営者が失敗したら雇用は守れない。赤字になったから人を切るというのはとんでもないと考えるようになりました」

 40歳で米国に出向した際には、ニュージャージー支社の全社員を解雇して売却。ボストンでは全米社員の2割のリストラにも携わった。

 【独立】そうした経緯もあって、3年連続債務超過だった日本レーザーの再建に白羽の矢が立った。「雇用は守ると心に決めていました。就任1年目で黒字転換しましたが、腰掛けじゃダメだと感じ、本社の取締役を退任しました」。さらには経営陣と従業員が一体で親会社から株を買い取るMEBOで独立。「いつも迷ったら困難な道を選んできました」

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