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【榊淳司 マンション業界の秘密】大地震、急病発生… 本当は怖いタワーマンション (1/2ページ)

 日本人はタワーマンション(タワマン)が大好きだ。最近、このタワマンについてカメラや聴衆の前で話す機会が何度かあった。いろいろな方向性からタワマンを見直すというのが私のスタンス。基本的には幻想的な「信仰」を打ち砕くことを意図している。

 先日の講演の際、終了後の質疑応答で、東日本大震災の時にタワマンの37階に住んでいた方が、自らの経験談を語ってくれた。

 彼にはその時、保育園児の子供が2人いた。勤務先から住んでいるタワマンにたどり着き、何とか子供たち2人と合流した。しかし、37階へのエレベーターは止まったままだった。

 実はそのマンション、その日の夜にはエレベーターが復旧するのだが、合流した夕方時点でそれは分からない。彼ははるか上層の自宅に向かって、小さな子供2人と自分の荷物をもって階段を上がることにした。エントランスを出発して、37階の自宅にたどり着けたのは1時間後だったという。

 このような講演で、いつも話すことがある。カナダ・トロントのある救急隊員の研究チームが、医師会誌に掲載した内容だ。

 2007~12年に管轄内のマンションで心肺停止を起こした約8000人を対象に生存率を調べた。退院まで生存していた人はたった3・8%。1~2階に住む約6000人の生存率は4・2%だったのに対し、3階以上の約2000人の生存率は2・6%。16階以上では1%未満、25階以上ではゼロだった。

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