★アトリエはるか・岩井大輔社長(37)
常識破りの経営術だ。髪を切らない、パーマもしない美容室を駅ナカや駅チカに展開し、集客もせず広告も打たないのに10年間で業績を10倍に伸ばしたという。サラリーマンから美容業界に飛び込み、OLだった創業者のアイデアをビジネスとして花開かせた。そして私生活でもパートナーとして歩みを進めている。(中田達也)
--ヘアメークやネイルに特化したサービスだそうですね
「妻の西原良子がOL時代に発案したビジネスモデルが原点です。お客さまは、てっきりきれいになりたいから来ていただくのかと思っていたのですが、アンケートを取ってみたら、いちばんの理由は面倒くさい、毎日の手間を省きたいというものでした。日常行為の代行サービスにこそ、このビジネスの価値はあると思っています」
--どんなタイミングで利用されていますか
「起業当初はデートや合コンというニーズを想定していましたが、結婚式はもちろん、成人式から同窓会、お葬式、ライブやフェス、ディナーショーまで、お出かけ前に使っていただくというニーズが増えています」
--駅ナカや駅チカに店舗を置いています
「仕上がったときに雨にぬれたり風に吹かれたりせず、集合場所にも近い場所というのが創業者のコンセプトです。男性なら気にしにくいところですね」
--平均単価が約3600円と一般的な美容室の約6400円に比べて安い分、平均サービス時間が約22分と、一般的な美容室より大幅に短いそうですね
「美容室では約1時間半の単価が6000円ぐらいしか稼げないんですが、うちは同じ時間で1万2000円以上稼ぐことができます。生産性は倍ぐらいになるということですね」
--生産性を高める手法は
「お客さまにカルテを書いていただくこともありませんし、使う化粧品も過去のデータから良いものを絞り込んでいます。ヘアスタイルもカタログを指さしていただく形です」
--選択肢は多ければいいわけではないと
「50~60種類のヘアスタイルからデータを取っても、実際にお客さまが選ぶのは4つから5つに集中しているんです」
--集客をせず、広告も出さないとか
「コンビニのように生活圏内に配置することで集客のコストを一掃することができました。店の名前も覚えてもらわなくていいと思っています。駅の中に化粧をしてくれる場所があるよね、とかあの地下街に髪を巻いてくれる場所あるよね、と認知してもらえば十分です。リピーター3割、新規3割、ネット経由の予約が3割といったところです」